自然死,孤独死の家売却…告知義務はある?土地(更地)にした場合は?


住人が自然死・孤独死した家を売却する際は告知義務があるの?…をテーマにしたいと思います。

高齢化社会にあって、室内で住人が自然死したり、病気で孤独死したりする事例は何も珍しいことではありません。

そういった建物を「物件」として売却することになった場合、売主は購入希望者(または購入検討者)に告知する義務はあるのでしょうか?

また、家を取り壊してから土地(更地)で売却する場合の告知義務はどうなのか?についても触れていきます。

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自然死,孤独死の家売却…告知義務はある?

自然死や病気による孤独死の事例は珍しくない―と冒頭に書きましたが、私の実務経験では、どちらかと言うと「事故物件」に関わった件数の方が多いですね…。

事故物件とは、賃貸・売買の物件内で住人が自ら命を絶ったり、あるいは他人に命を奪われた物件のこと。

そういった事故物件に住むことに抵抗を感じる人が多いことから、不動産取引の現場では「心理的瑕疵(かし)物件」と呼んだりします。

売主・貸主は事故物件であることを告知する義務があり、不動産業者も物件を紹介する段階からその旨を説明します。

インターネットの物件広告などで「告知事項あり」「心理的瑕疵あり」といった表示があれば、これは事故物件のことです。

 

では、室内で自然死や病気による孤独死をしていた場合の告知義務はどうでしょうか?

実は法律で特段の定めがあるわけではないので、この場合の告知義務の必要性については判断が分かれるところです。

自然死とは、高齢者が老衰で亡くなる状況のことで事件性がないため、ある業者は「告知義務なし」と言います。

また、病死による孤独死も事故物件ではないので「告知義務なし」とみる業者もいるでしょう。

 

しかし、私は自然死でも病気による孤独死でも告知するようにしていますし、売主さんに必ずヒアリングするようにしています。

事故物件のところでも触れた通り、自然死であっても、そういった物件に住むことに抵抗を感じる人は一定数いると思われるからです。

告知せずに売却した後で、買主が近所の人から自然死の事実を聞き、「事前に知っていたら買わなかった」と損害賠償や契約解除を申し出てくる可能性もゼロではありませんからね。

“心理的な抵抗”と言っても、感じ方や度合いは、人によってさまざまです。

法律で線引きされていない(できない)理由がわかりますね。

亡くなって5年経過しているから告知義務なし…とか、リフォームしているから告知義務なし…と一方的に判断せず、不安だと思ったら告知するというスタンスが無難でしょう。

ちなみに告知の方法については、契約書類にその内容を記載して仲介業者から買主に説明してもらったり、契約締結時に売主が買主と会った際に直接伝えたりします。

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自然死,孤独死の家売却…土地(更地)にしても告知義務はある?

では、自然死や病気による孤独死があった家を取り壊し、土地のみで売却するケースはどうでしょうか?

それなら告知義務はない=伝えなくてもいい―という判定でもよろしいと私は思います。

…と言いながらも、亡くなった状況によっては告知した方がいい場合もあります。

昔、身近であった案件ですが、病気による孤独死をした男性がすぐ発見されずに数カ月経過…夏ということもあり異臭&室内全体に蛆がわいていたという事例です。

処理や清掃に費用もかかったそうで、近所でもしばらく話題になっていました。

このような物件ですと、建物を取り壊したとしても、亡くなってから期間が浅い売却だった場合は告知した方がいいかもしれません。

告知しない売主や業者もいると思いますが、私だったら多分、告知すると思います。

関連記事:騒音の告知義務は不動産売却では必須?判例を見ながら判断基準を考察!

 

もう一つ思い出した事例があるのでご紹介します。

これは、私の地元にあった事故物件…具体的に言うと、家主が住宅内で命を奪われた物件(しかも未解決のまま…)です。

今でも事故物件公示サイト「大島てる(http://www.oshimaland.co.jp/)」に載っています。

事件から15年経過したところで家が取り壊され、ある不動産業者によって「土地売り」として相場の半額で売り出されました。

私も仲介業者として、その物件を自分のお客様に紹介させてもらったのです。

その時、売り出している業者の営業マンが「もう建物は無いわけですから、事故物件という告知はしないですよ」と言ったのです。

これに対しては、私は意見させていただきました。

「いや、いくら事件が起きた建物が今は無いとはいえ、他殺で未解決となれば購入者にとっては重要な情報です。後々のトラブルを避けるためにも、絶対に告知した方がいいです」と…。

自分が購入者だったらどう感じるだろうか?という視点で考えれば、告知すべきかどうかは自ずとわかって来ると思います。

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自然死,孤独死の家売却…告知義務はある? まとめ

①自然死や病気による孤独死があった住宅を売却する際の告知義務は、はっきりした規定があるわけではない

②売主や業者によって告知する・しないの判断は分かれる。買主の気持ちを考えるなら告知しておいた方が間違いはない

④亡くなった家を解体して売却する場合でも、状況によっては告知した方が無難

⑤重大事件などが発生した「事故物件」については、昔の出来事であっても告知すべき

 

もし、建物内で亡くなった親から相続した空き家を売却したいという方は、不動産業者にその旨を伝えて相談するといいでしょう。

関連記事:不動産売却の売主負担&登記費用の内容は?古い空き家を売る際の注意点ほか

 


2018年01月17日 | Posted in 売主の責任・負担について | タグ: , Comments Closed 

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