地面師(本)の感想&犯行グループの手口から地主が注意すべき点を学ぶ!


話題の本【地面師〜他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団〜】(森功著)を読んでみました。

地面師(じめんし)とは、土地の所有者になりすまして無断で転売し、多額の代金を買い手から騙し取る詐欺師のこと。所有者が知らない間に、ニセ売買契約を行います。積水ハウスやアパホテルがコロッと騙されたニュースは衝撃的でしたよね。

巧妙な手口を知ることができて、とても勉強になる本でした。

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地面師グループの手口とは?

積水ハウスは55億円、アパホテルは12億円を騙し取られましたが、本当にそんな詐欺が可能なの?と思ってしまいますよね。それでも引っかかるということは、地面師の計画はそれだけ用意周到だということです。

地面師は10人ほどのグループで行動することが多く、オレオレ詐欺と同じようにそれぞれ役割が決まっています。

(主犯格)ターゲットとなる土地・建物を選定し、詐欺の計画を立て、メンバーを集める

(手配師)ターゲットの地主と年齢・外見が似ている“なりすまし役”をスカウトし、演技指導をする

(印刷屋)地主のパスポート・免許証・権利証・印鑑登録証明書などを偽造する

(仲介屋)買主を探す。仲介業者や転売業者として売買の間に入ることで金の流れを複雑化させる。もし足がつきそうになっても「われわれも騙された」「地主がニセモノとは知らなかった」と逃げる

(銀行屋)売買代金を騙し取るための振込口座を用意する

(法律屋)法的な手続きを担当する弁護士や司法書士

 

3Dプリンターで実印を偽造するはお手の物。権利証の偽造では、ホチキスの留め金の劣化具合まで再現してしまうほどです。

ホンモノの弁護士や司法書士も加わり、グループのバックには反社会的勢力が付いているので、かなり厄介な詐欺集団です。

地主(売主)を装って買主や(買主側の)仲介業者を騙すパターンもあれば、ホームレスを雇ってニセ買主に仕立てあげ、銀行から融資金を巻き上げるパターンもあります。

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地面師グループで真っ当な不動産屋をやればいいのに…

【地面師〜他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団〜】を読んで思ったことは、このメンバーで真面目に不動産業をやれば、相当な売上を上げられるのでは?ということです。

詐欺師は口が上手いですから、すなわち、営業トークも巧みなはず。数億〜数十億円を動かしてしまう企画力と組織力は“半端ない”ですよ。

もしメンバーたちが、こんな役割を担ったら…

(主犯格→経営陣)会社の経営方針を練り、各部署を統括する

(手配師→営業担当)営業マンをスカウトしたり、地主の説得&売れる物件を仕入れる

(仲介屋→契約担当)物件を調査したり、売買契約書類を作成する

(印刷屋→広告担当)会社PRや物件広告などを担当

(銀行屋→経理担当)経理全般

(法律屋→法務担当)所有権移転ほか、法的な手続きをサポート

…というような態勢でスクラム組んで仕事をすれば、別の意味で、恐ろしい営業プロ集団になる気がしませんか。

 

地面師からすれば、一撃で数十億円を奪える仕事だからモチベーションが上がるのかもしれませんが、一方で詐欺がバレて捕まるリスクも高いですよね。ならば、真っ当な不動産業で稼いだ方が安定すると思うのですが…。

お客さんサイドも、司法書士や弁護士がいるから色々と相談できていいですよね。相続・離婚・債務整理などが絡んだ案件でも、ワンストップで対応してくれるわけですから。

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地面師(本)から学ぶ、地主が注意すべき点

この本では、一等地に不動産を持っている所有者が注意すべき点も教えてくれていると思います。

内容から一部引用しますと、地面師のターゲットになる物件には、こんな特徴があるようです。

現在はインターフォンも鳴らない。家の中を覗くと、古新聞がうずたかく積まれ、住んでいるような気配もない。隣近所の住人たちは時折、当人の姿を見かけると言うが、まさしく地面師たちに狙われそうな物件に思えた

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夫婦二人で住んでいたが、奥さんが病気で施設に入り、本人はフィリピンパブに入り浸りになってしまったらしい。それで、あの家にはほとんど寄り付かなくなった。たまにしか帰ってこないので、家も庭もあのように荒れてしまった

つまり、一等地にありながら管理されずに放ったらかしにされている空き家・土地は要注意。また、所有者の居どころがはっきりしないと狙われやすいということです。

関連記事:実家 空き家の遺品整理&売却どこに相談すればいい?労力,時間,費用カットのヒント!

 

地主が注意すべき点を整理しますと、

①権利証や実印や身分証明書は大切に保管する。「あれ、どこにしまったかな?」がないように

②相続登記は早めに済ませる。または、相続後の問題が想定できそうなら、生前に対策を打っておく

③空き家・空き土地は定期的に掃除・手入れする。放置している感を出さない

④近所の人にも協力してもらい、家の周りで何度もウロウロしている不審者を見かけたら教えてもらう。または、管理を業者に委託したり「◯◯会社 管理地」といった看板を立てる

 

地面師による詐欺事件は今後も起こる可能性があるそうです。

より詳しい事件の経過を知りたい方は【地面師〜他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団〜】を、ぜひ読んでみてください。

 


2019年01月13日 | Posted in 本の感想 | タグ: , Comments Closed 

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