家族信託とは簡単に言うとどんな制度?費用や手続き方法をわかりやすく紹介!


所有している財産の管理・処分を特定の親族に任せる「家族信託」という制度が話題になっていますね。

生きているうちに信託契約を結べることから、相続対策認知症対策として活用する人が増えています。

私もこの家族信託には興味があり、両親と会うたびに概要を説明するようになりました。

…というのも、私の父親はアパート経営をしており、子供(私を含め)が多いため、将来的なことを考慮すると活用した方が良さそうだからです。

この記事では、家族信託とは簡単に言うとどんな制度なのか、どんな手続きや費用が必要なのか?について、できるだけわかりやすくお伝えしたいと思います。

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家族信託とは簡単に言うとどんな制度?

まずは家族信託とは?についてです。

財産と言っても、現金・株・不動産などがありますが、ここでは冒頭で挙げた賃貸アパートを例にしてみましょう。

アパートを所有している父親が、自分が元気なうちに長男とこんな契約を結びます。

「もしワシ(父親)が死んだり、ボケてしまったら、アパートの管理・処分についてはお前(長男)に任せる」

簡単に言うと、これが家族信託という制度です。

 

家族信託の契約が無かった場合、父親が亡くなれば相続発生となり、全財産の確認・相続人の確認・遺産分割の話し合い・決定した内容の書面化・名義変更の登記…など、さまざまな手順を踏まないといけません。

あるいは、父親が認知症にかかり正常な判断能力を失ってしまった場合、成年後見制度により裁判所の許可を得なければ、アパートを処分することはできなくなります。

その一方、家族信託を結んでおけば、父親が亡くなったりボケてしまっても、相続や認知症とは切り離された契約行為として、長男が財産管理・処分をスムーズに行うことができるわけです。

 

家族信託のポイントは以下の通りです。

◆財産を持っている人(委託者といいます)の目的に沿った契約がなされる

◆委託を受けた親族(受託者といいます)が自分勝手な管理をしたり、処分したお金を自由に使えるわけではない

◆財産を管理・処分することによって経済的な利益を受ける人(受益者といいます)のために契約を交わす

 

例えば…「ワシ(委託者)が死んだら、アパートの家賃管理をお前(受託者)に任せるから、そのお金を母さん(受益者)の生活費に充てておくれ」という契約を結んだならば、その通りにしなければいけません。

あるいは「ワシ(委託者)がボケて施設に入ったら、アパート売却をお前(受託者)に任せるから、その売却金をワシ(受益者)の施設費用に使っておくれ」という契約でもいいです。

委託者=受益者でも問題はありません。

受託者となった長男が(契約を無視して)アパートを勝手に売って新車を買ったりしてはダメ!ということです。

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家族信託の手続き方法は?

次に、家族信託の契約を結ぶための手続き方法ついてです。

個人で行うことも可能ですが、財産管理の重要な契約事になりますので、やはり専門家にサポートを依頼すべきでしょう。

司法書士弁護士に相談してください。

家族信託を結んだ後は登記も行うので、初めから司法書士に相談することを個人的にはおすすめします。

 

家族信託 手続きの流れ(不動産の場合)

どういった目的で、どの不動産の管理・処分を、どの親族に信託するのか決める

信託契約の内容検討~書面化

できあがった契約書を公証人役場で公正証書にしてもらう

不動産の名義変更などの登記を行う

お金を管理する専用口座を開設する

 

契約書には、委託者・受託者・受益者のほか、不動産の情報や契約期間などを記載。

さらには、受託者が(何らかの理由で)管理できなくなった場合の次の受託者や、受益者が亡くなった後の次の受益者を決めることもできます。

公正証書に残すことは必須ではありませんが、確実な契約にするためにも行った方がいいでしょう。

信託契約を結んだら名義変更の登記を行い、信託の内容や権利関係を証明するようにします。

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家族信託の費用はいくら?

では、家族信託の手続きを司法書士に依頼したら費用はいくら?と気になりますよね。

つい先日、知り合いの司法書士に尋ねてみたところ「50万円からです」との回答でした(この記事の執筆時点)。

契約内容や不動産の規模によって異なるため、費用は50~100万円と考えてください。

(詳しくは司法書士と打ち合わせを)

 

ちなみに、家族信託を結んだことで税金が課されることもケースもありますので、プランを練る前に確認した方がいいでしょう。

・委託者の生前に受益者に不動産の所有権が移った ⇒ 贈与税

・委託者が亡くなり、受益者に権利が移った ⇒ 相続税

・受益者が「受益権」を売却した ⇒ 譲渡所得税

・不動産を受託者名義に登記した ⇒ 受託者負担の固定資産税

関連記事:空き家 固定資産税 誰が払う?相続時の留意点&滞納したらどうなる?

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まとめ…家族信託のメリット・デメリットは?

家族信託とはどんな制度か、概要について簡単に説明しました。

相続対策・認知症対策として、今後も利用が広がってくる制度だと思います。

スムーズな財産管理を目的とするほか、あるいは「◯◯にはこの不動産を相続させたくないから」という委託者の意向によって活用されることもあるでしょう。

 

あらためて家族信託のメリットは…

◆財産を持っている人が元気なうちに、将来の財産管理やお金の使いみちについて方針を定めることができる

◆二次相続(家族の中で二番目に起こる相続)を見越し、次の承継先を決めることも可能になる

逆にデメリットらしいデメリットはありません。

ただし、まだ家族信託は新しい制度のため、すべての司法書士・弁護士が手続きに慣れているわけではありません。

相談する際は、家族信託の実績があるか確認するようにしましょう。

 

また、知り合いの司法書士がこんなことも言っていました。

「家族信託の契約は、相続の遺留分請求にも勝る仕組みです。しかし、過去に判例がないため、実際に裁判になってみないとわからない面はあります」

遺留分とは、最低限の金額は相続できる権利のこと。

つまり…「オヤジとアニキが家族信託を結んでるなんてオレは知らなかった。その不動産の売却金の相続割合分をオレにも寄こせ」と三男が言ってきたとしても、家族信託の契約が勝るので請求に応じる必要はない―というわけです。

法律上は、という意味で。

ただ、家族信託は新しい仕組みなので、どの事例でも100%勝てるとは言い切れないそうです。

 


2018年06月28日 | Posted in 不動産売却の関連ワード | タグ: , Comments Closed 

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