相続空き家 3000万円控除 老人ホームやマンション居住の場合は対象になるの?


相続した空き家を売却して利益が出たときに適用される「被相続人 居住用財産の3,000万円控除」。

この3,000万円控除について「親が老人ホームにいた場合や、マンション居住だった場合でも対象になるんですか?」という質問を受けることがあります。

つまり、親(被相続人)が亡くなったときは老人ホームに入っていたけど、1年前までは自宅に居住しており、その空き家を売却したケースでも控除を受けられるのか?といった状況のことです。

また、空き家には分譲マンションも含まれるのか?という疑問を持っている方もいらっしゃいますね。

今回はこの2点について整理してみたいと思います。

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相続空き家 3000万円控除は老人ホームに入所していた場合でも対象になるの?

空き家が発生する原因の、実に56%が相続がらみです。

私も地主さん宅や大家さん宅を訪問する機会が多いんですが、相続に関する話題が出ないことがないくらいですね。

 

この記事では「相続空き家3,000万円控除」と表現していますが、正式には「被相続人の居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除」とか「空き家の発生を抑制するための譲渡所得3,000万円特別控除」とか言ったりします。

日常会話ではおそらく使わないであろう、長い名称です…。

「居住用財産」ですから、建物だけでなく土地も物件の対象になります。

 

簡単に言えば、空き家対策の一貫として、相続人が(親などが住んでいた)空き家&土地を売って利益を得た場合は所得税・住民税を軽減してさしあげましょう―という制度のこと。

売却で得た利益から3,000万円分差し引けるとなれば、空き家を放置する相続人も減り、不動産の有効活用につながるという効果に期待しているわけです。

 

この「相続空き家3,000万円控除」は、被相続人が居住していた不動産が前提。

では、冒頭の例のように、被相続人が亡くなる直前まで老人ホームに入所していた場合はどうなんでしょうか?

結論から先に言いますと、被相続人が老人ホームで暮らしていた場合は「対象外」となります。

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相続空き家 3000万円控除は老人ホームに入所していた場合は対象外…要件をチェック!

「相続空き家3,000万円控除」は、被相続人が亡くなる直前まで老人ホームに入所していた場合は対象外になります。

控除の要件について関係する項目を挙げますので、以下、ご確認ください。

 

▼相続開始の直前において、被相続人の居住用に使われていたこと

▼相続開始の直前まで、被相続人以外に居住をしていた人がいないこと

▼相続時から譲渡時までに、事業用に使ったり貸し付けるなど一時的に別の人が入居していないこと

▼空き家3,000万円控除の適用を受けるためには、電気・ガス・水道の閉栓証明(廃止届け)などの書類を市区町村に提出し「確認書」の交付を受けること

 

「相続直前まで住んでいたこと」とあるので、やはり老人ホームに入所していた場合は控除対象外です。

市区町村にライフラインの使用停止書類も提出するので、空き家の現況などもチェックされますね。

ただ単に被相続人が所有していた空き家=住民票がある空き家…というだけでは、「相続空き家3,000万円控除」を受けることはできないのです。

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相続空き家 3000万円控除 マンション物件の場合はどうなるの?

「相続空き家3,000万円控除」は、相続直前に被相続人が老人ホームにいた場合は適用されてないことがわかりました。

では、もう一つの質問にあった、居住していた不動産が分譲マンションだった場合はどうでしょうか?

結論を述べますと、分譲マンションは「対象外」となります。

 

「相続空き家3,000万円控除」の要件には、

▼昭和56年5月31日以前に建築された家屋で、区分所有建物でないこと

という内容があります。

そもそも、全国的に急増する空き家(一軒家・一戸建)の放置問題を何とかするための特別控除措置ですので、マンションは除かれるわけです。

マンションは市街地やその周辺にあるので借り手や買い手も付きやすいですが、郊外にある実家の一戸建が空いたので後活用を…と考えても厳しいのが現状です。

どうしても空き家が放置されてしまうケースは多くなってくるでしょう。

関連記事:マンション売却利益の税金はいくら?3000万円控除の要件もチェック!

 

ちなみに、これまで述べてきた内容は「相続した空き家」に限定した話です。

もし相続発生する前(=亡くなる前)に所有者さん自身で自宅を売却する場合には、従来の「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例」が利用できます。

この場合は、一軒家・一戸建だけでなく、マンションも対象に含まれます。

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相続空き家 3000万円控除 老人ホームやマンション居住の場合…まとめ

①「空き家3,000万円控除」は、相続される人が亡くなる直前まで独りで住んでいた一軒家・一戸建の売却にのみ適用される

②空き家になってから売却するまでの間に相続人が一時使用したり、誰かに貸したりすると対象外になる

③全国的に急増している空き家の発生を抑制するための措置なので、分譲マンション(区分所有建物)は除外される

 

補足情報ですが、「相続空き家3,000万円控除」が受けられる期間は2019(平成31)年12月31日までの売却です。

また、被相続人が直前まで居住していれば、2016年に相続してから空き家になっている物件も2019年末までの売却なら対象になります。

(相続開始から3年経過する年の年末までの売却なら対象になるからです)

なお、控除を受けるには確定申告も必要になりますので、ご承知おきを。

関連記事:相続 空き家の売却…税金はいくら&特例はある?計算例を見ながらチェック!

 


2017年12月11日 | Posted in 空き家の特別措置について | タグ: Comments Closed 

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