不動産売却の詐欺手口&予防策は?売主が騙された事例を見ながら学習!


ある夫婦から居住中の中古住宅と山林の売買仲介を相談されたときのこと。

まずは住宅の価格査定をするために登記簿を見てみると…

20年前に購入しているにも関わらず、所有権移転の登記は10年前にされていたのです。

(私)「この空白の10年間はなんですか?」

(夫)「地元の不動産屋に全部任せてたらテキトーな仕事してたんや。10年経って気づいて、急いで登記した」

(私)「それ、本当ですか?!…その間に第三者の登記が入らなくて良かったですね…」

次は1,500坪ある山林について尋ねると…

(夫)「“公営水道引き込み可”って聞いてたんやけど、周辺道路に配管来てないことが最近わかって。うまく不動産屋に騙されとったんやな」

(私)「わかったのは最近なんですね…」

 

相手が素人なのをいいことに、騙してお金を取ろうとする輩はいつの時代にもいます。

上記の例は購入時の問題ではありますが、実は、不動産所有者(または売主)が被害に遭う詐欺というのも存在するのです。

今回は、不動産売却に関わる詐欺や対策についてスポットを当てます。

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不動産売却の詐欺手口とは?~①地面師事件

地面師(じめんし)という言葉は昔からありますが、2017年にクローズアップされましたよね。

積水ハウスが63億円の詐欺被害に遭った、あの衝撃的なニュースによって…。

地面師とは、土地や建物の所有者になりすまし、本人が知らないうちに勝手に転売してお金を騙し取ったり、担保に入れて金を借りたりする詐欺グループのこと。

オレオレ詐欺のように、メンバーの間で色々な役割分担が決まっているといいます。

所有者から権利証(登記識別情報)を盗んだり、印鑑登録証明書やパスポートなどを巧妙に偽造。

所有者を装って売却してしまうほか、所有者の名義を地面師(または関係者)に変えてから第三者に売却する手口もあります。

 

真の所有者が承諾していませんから、契約自体は無効になりますが、金儲けの道具としてうまく利用されることになります。

「本当に所有者が知らないうちに売却できるの?」と信じがたいですが、実際に詐欺は起きているから驚きです。

こちらの新聞記事をご覧ください。

〈朝日新聞 2017年6月7日〉

土地や建物を持ち主になりすまして無断で売り、現金約2億4千万円をだまし取ったとして、警視庁は7日、神奈川県横須賀市の無職◯◯◯◯容疑者(67)ら男女3人を詐欺容疑で逮捕した。

捜査関係者によると、3人は2014年2月ごろ、東京都港区内の土地と建物を所有していた70代女性(故人)になりすまし、偽造書類を使って会社経営の男性と売買契約を結び、不動産の売却代金として約2億4千万円を詐取した疑いがある。

同庁は、3人が他人の土地を不正に取引する「地面師」とみている。

女性の親族は朝日新聞の取材に、「知らない間に登記を書き換えられていた。不動産は一番安全な資産だと思っていたのでショックだ」と話した。

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不動産売却の詐欺手口とは?~②測量振り込め詐欺

地面師ほど大掛かりな犯行グループではありませんが、測量振り込め詐欺というものもあります。

悪徳業者(または個人)が、土地を売り出している所有者に「購入してくれるお客さんがいます」と言って接近。

実際にはいない購入者の存在を売主に信じ込ませたところで「売却前に測量が必要なので費用を振り込んでください」と持ちかけ、入金確認できた時点でドロンと姿を消す手口です。

これは測量に限らず、リフォーム、設備修理、シロアリ駆除…など名目を変えて行われる詐欺パターンです。

 

一度騙されると個人情報が拡散され、ほかの詐欺グループからも狙われる可能性があるので注意が必要です。

二束三文の土地を高く買わせる「原野商法」という詐欺もありますが、こちらは二次被害も多いそうです。

〈日本経済新聞 2011年8月20日〉

北海道の原野の売却を持ちかけ、測量費名目で金をだまし取ったとして、愛知、富山県警の合同捜査本部は19日までに大阪市浪速区日本橋東、自営業◯◯◯◯容疑者(27)ら男2人を詐欺容疑で逮捕した。

愛知県警によると、◯◯容疑者らは5人のグループで、昨年3月から今年4月に東京、大阪など18都府県の約100人から約1億円をだまし取ったとみられる。

資産価値のない土地を売りつける「原野商法」の被害者を狙い、名簿をもとに電話をして架空の転売話を持ちかけていた。

◯◯容疑者はグループのリーダーで、ほか4人が詐取した金の7割を受け取っていた。

金は居酒屋の開店や外車の購入などに充てたとみられる。

逮捕事実は昨年11月、不動産会社を名乗って愛知県尾張旭市の男性(70)宅に電話し「あなたの北海道の土地1000坪を3200万円で仲介したい」と虚偽の説明をし、自宅を訪れ「売るには測量が必要」と測量費名目で165万円をだまし取った疑い。

県警はこれまでにグループの別の男2人を詐欺容疑で逮捕、裏付けを進めていた。

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不動産売却の詐欺手口とは?~③開発許可詐欺

詐欺師は、困っている人の心の隙間に、上手に入り込んできます。

そのスキルを持っているなら、真っ当なビジネスに使うべきだと思うのですが…。

上記の測量詐欺に近いもので、開発許可詐欺をはたらく者もいます。

例えば…不動産譲渡税や相続税の納税に苦しんでいる所有者に「私のお客で、老人ホームを開設したいから土地を高く購入してくれる人がいる」と言って近づきます。

所有者の興味・関心を引いたところで「土地を高く売るには開発許可申請が必要」とそれらしい言葉を並べ、土地代金を払わないまま所有権を移転したり、第三者に売却して代金を懐に入れます。

あるいは、その土地を担保に多額の借り入れを起こして借入金を搾り取ることも。

不動産売却の詐欺手口とは?~④小切手詐欺

あまり事例は多くないと思いますが、不動産売却でも小切手詐欺というものが稀にあるようです。

買主を信用して小切手・手形による売買代金の支払いに応じて物件を引き渡したものの、不渡り(現金化不可能)のため売主は代金を受け取れず…。

その間に、第三者に転売されていたというような詐欺です。

やはり、不動産売買の決済は現金・振り込みか、小切手を採用するにしても「預金小切手」にしましょう。

預金小切手とは「保証小切手」「自己宛小切手」とも呼ばれ、買主から依頼&現金を受けた金融機関が振り出してくれるものです。

つまり、振出人と支払人が金融機関ですので安心ですね。

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不動産売却 売主が詐欺に遭わないための予防策とは?

不動産の所有者(売主)が被害に遭う詐欺などについて取り上げました。

最も大切なことは、売主も日ごろから不動産取引に関する知識を持ち、決して不動産業者らに手続きを丸投げしないことです。

インターネットで検索すれば、様々な情報が拾える時代ですからね。

関連記事:不動産売却の流れ,必要書類は?買主に引き渡すまでの期間についても

大金が動くところには必ず怪しい人も近寄ってくると認識し、いわゆる“情報弱者”にならないように気をつけましょう。

 

【所有者(売主)が詐欺に遭わない予防策】

▼不動産売却の流れを把握し、契約書類の内容にしっかり目を通す

▼権利証・登記識別情報をしっかり保管する。実印・印鑑カードを一緒にまとめず、別々に保管する

▼権利証・登記識別情報を失くした場合は、すぐに失効・不正防止の届け出をする

▼登記簿を定期的にチェックする

▼売却する際は司法書士に移転登記の手続きを依頼する

▼物件の引き渡し・代金受け取り・所有権移転を同じ日に行う

▼業歴が長く、実績のある不動産業者を選ぶ。業者のことをよく調べる

▼売却を急かしてくる業者や、相場より高額で売れるという上手い話は信用しない

▼個人間売買は控える

 


2018年03月09日 | Posted in 不動産売却の関連ワード | タグ: , Comments Closed 

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