空き家つぶします 解体費を100万安くする方法は?放置の理由や後利用を学ぶ!
2月18日にフジテレビで【ニチファミ!空き家、つぶします】という番組が放送されました。
それぞれの事情で放置されることになった空き家を“名人”が重機と技を駆使して解体する内容です。
現在、全国の空き家数は820万戸といわれますが、2033年には2,000万超えに増加するとか…。
空き家急増や国の対策がクローズアップされている折、タイムリーな特番ですね。
放置の経過や解体を決意した理由などについてケーススタディできると思い、オンエアを観てみました。
また、空き家の解体費を約100万円安くする方法も紹介されたので、その内容もまとめたいと思います。
空き家つぶします~解体内容まとめ①
空き家を何とかしたいと思っても解体費用が必要で、解体後の更地を売却してもマイナスになってしまうようなら、そのまま放置してしまうのは仕方がない流れでしょう。
また、家屋が建っている土地の固定資産税は最大6分の1に軽減される仕組みにも関係があるでしょう。
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以下、今回の【空き家、つぶします】の概要をまとめます。
【火災の危険あり!築100年の古民家】
場所:岐阜県高山市
建物:築100年の木造7LDK(300㎡)
解体理由:空き家になって2年。近所の空き家に不審者が侵入し、タバコの不始末による火災が発生。同じような事件を防止するため
ワケありポイント:建物を支える巨大な松の梁を抜くと、一気に建物が倒壊する危険あり
解体業者:タナカ技建
解体費用:250万円
後利用:所有者の新居を建築
【隣家まで9.7cm!難攻不落の鉄筋コンクリート空き家】
場所:徳島県徳島市
建物:築45年のRC造5LDK(191㎡)
解体理由:亡くなった元所有者とその父親が設計&施工した思い出の家だが、鉄筋コンクリート造で結露・湿気による劣化がひどい。リフォームするにも費用がかさむため
ワケありポイント:隣家とわずか9.7cmの密着度。隣の壁とつながっている特殊な構造
解体業者:フクブル
解体費用:310万円
後利用:亡くなった元所有者の妻が新居を建築
空き家つぶします~解体内容まとめ②
【慶應卒・朝ドラ女優も愛した喫茶店】
場所:神奈川県川崎市
建物:創業38年の木造2階建の喫茶店「まりも」
解体理由:店主の娘2人が嫁ぎ、妻も通院。1人での経営は体力の限界…と閉店を決意。空き店舗を放置すると犯罪も起きかねないため解体
ワケありポイント:開放感のある店舗にするため、柱を減らす代わりに(木造ながら)鉄骨が入れられていた。鉄骨の抜き方を誤ると一気に倒壊する危険あり
解体業者:三友建設
解体費用:475万円
後利用:店主一家が新しい貸しビルを建設
【倒壊寸前!特別豪雪地帯の木造空き家】
場所:北海道美唄市
建物:築50年の木造平屋(35㎡)
解体理由: 親から相続したものの住む予定がなく、隣地への落雪や窓割れの被害が起きたため
ワケありポイント:豪雪地帯では雪対策として鉄板屋根を使うが、重機で鉄板を剥がす作業は“名人”でないと難しい
解体業者:ユースフルシステム
解体費用:80万円
後利用:更地
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【害虫の巣窟!所有者不明の空き家】
場所:兵庫県尼崎市
建物:築51年の木造2階建(56.34㎡)
解体理由:住人が10年前に他界して以降、所有者不明のまま放置。空き家対策特別措置法に則って行政が解体
ワケありポイント:ゴキブリやスズメバチの巣窟。害虫が近隣に逃げないよう駆除の薬剤も使用
解体業者:尼崎市職員
解体費用:不明
後利用:未定(公売か近隣に売却)
空き家つぶします 解体費を100万安くする方法は?
【ニチファミ!空き家、つぶします】では、空き家の解体費を約100万円安くできる技というのも紹介されました。
それが登場したのは、徳島県徳島市の【隣家まで9.7cm!難攻不落の鉄筋コンクリート空き家】の解体現場。
解体担当した地元業者・株式会社フクブルが開発した「スパイダーロボ」という新型重機を使うと、人件費や工期の大幅カットにつながるといいます。
このスパイダーロボは一見すると何の変哲もない重機ですが、操縦席の部分がワイヤー収納スペースになっており、天井から吊るすこともできるようになっています。
(まさにスパイダーマンのように、蜘蛛の糸=ワイヤーで建物内を上がったり下がったり…)
#空き家つぶします
番組内で取り上げられてた『スパイダーロボ』こいつの導入で解体費用を100万近く削減することに成功したそうな!
スパイダーロボ、糸たぐり屋上へ…狭い場所でもビル解体:朝日新聞デジタル https://t.co/xPWdbgRh3L#スパイダーロボ#解体工事#解体重機#フクブル
— クラッソーネ 広報 山際 (@crassone) 2018年2月19日
通常、重機が入るスペースが少ないRC造の建物を解体する場合は、作業員がハンドブレーカーという道具を使って手作業で崩していきます。
しかし、このスパイダーロボはリモコン操作によって建物の内部に進入させることができ、解体作業を進めることができるのです。
手作業なら1日かかる解体も、スパイダーロボにかかれば1時間に短縮できるとか…。
徳島県の「ものづくり補助金」を受け、2,000万円かけて開発した“世界に1台の重機”だそうです。
確かに、これなら狭隘な場所にある空き家の解体もスムーズですし、依頼する側の費用負担が軽減されるとなれば非常にポイントが高いです。
スパイダーロボの技法が、徳島県以外の解体現場でも使用できるようになればいいですね。
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